表現していれば、“僕は僕でいていい”と思える。 #nomorerules. vol.13 #1 あの  2022.09.21

表現していれば、“僕は僕でいていい”と思える。 #nomorerules. vol.13 #1 あの  2022.09.21

表現していれば、“僕は僕でいていい”と思える。 #nomorerules. vol.13 #1 あの  2022.09.21

今年メジャーデビューを果たしたソロアーティストであり、バンド「I’s」のボーカル&ギターであり、映画やドラマ、バラエティでも神出鬼没に活躍するあのさん。誰にも似ていないキャラクターと強い存在感を持つからこそ、「どこにいても疎外感や孤独感を感じてきた」という彼女にとって、“自分を表現すること”の意味とは?


01. 弱さやコンプレックスが強みになる場所


02. 孤独でも、表現していれば自由になれる


03.  “変わりたい”という気持ちが今につながった


NO MORE RULES.

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自分をそのまま見てもらうことが、自己表現になってる

自分をそのまま見てもらうことが、自己表現になってる

自分をそのまま見てもらうことが、自己表現になってる

――音楽活動以外にも、タレント、モデル、俳優などさまざまな顔を持つあのさん。自分自身をどう使い分けていますか?

使い分けている感覚はあんまりないんです。でも、音楽をやってるときも、バラエティに出てるときも、洋服を着て撮影してもらってるときも、少しずつ違う自分がいるっていう感じはあって。意識して変えるというよりも、勝手にそのモードに入っちゃう。どこにいても自分の中にあるものを出してるから、それがすべて自己表現になっているのかなと思います。

SCROLL   SCROLL

SCROLL   SCROLL

SCROLL   SCROLL

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――色々な種類の仕事をこなしていかなければならないことに、迷いや不安はないですか?

この状態がずっと続くかわからないし、もしかしたらどれかに絞っていく可能性もあるけど、今はなんでもやりたいなって思っていて。「この仕事は嫌だ」みたいな気持ちもなくて、オファーをいただいたらやりたいと思うし、そのなかで違うと思うことはやらないっていう選択もしています。ただ、午前中でめちゃくちゃバラエティやって、午後に音楽をシリアスにやっていると、情緒がおかしくなる感じはあります(笑)。使う脳がまったく違う感じだから、ぐっちゃぐちゃで、常にカオス。でも、それが面白いと思ってもらえていたらいいなって。

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――自分のことを好きなとき、嫌いなときってありますか?

こうやって色んなジャンルで活動ができていることは、誰でもできることじゃないと思うから、自分が得意なところで、強みだなって思えます。ネガティブだったり、人の言葉がすごく気になったりするから、「こんな性格じゃなければ楽だったのに」と感じるときもいっぱいある。でも、僕に限らずみんな、自然なままで生きられたらそれがいちばんいいですよね。

――そういうネガティブさや、自分のコンプレックスが、自己表現になったり、強みになったりすることもありますよね。

そうですね。仕事をするなかで、僕の弱いところとか、社会に馴染めないところを好きだと言ってくれる人も増えてきました。そうやって誰でも、マイナスだと思っていたことが武器に変わる瞬間っていうのがあるんだなと感じています。

そもそも僕みたいな人間が、人前に立って活動していること自体が自己表現だと思うんです。自分が培ってきたものとか、苦しんできたものとか、そういう自己を全部さらして、見てもらってる状態というか。だから、こういう活動を続けているうちは、結果的にそれが自己表現になってるのかな。

言葉では伝わりきらないものを見てほしい

言葉では伝わりきらないものを見てほしい

言葉では伝わりきらないものを見てほしい

――ソロアーティストとして活動を始める以前は、アイドルグループのメンバーとしての「あのちゃん」がいて。そもそも最初にそういう仕事に惹かれた理由って何でしたか?

惹かれたっていうよりも、直感みたいな感じでした。高校に馴染めなくて、引きこもってて、ずっと「自分」っていうものを制御できなかった感覚があって。周りに合わせていくのは無理だってなったときに、自分が表現できる場所って音楽とかステージに立つことかもなと思って応募しました。

幼稚園の頃から人前で何かするなんてもってのほかで、発表会もお遊戯会も全部無理だったのに、応募するときに「このまま部屋にいちゃダメだ」って思ったのは覚えてるんです。そのときの自分がいちばん自分を変えたかったんだと思うし、だから行動できたのかな。学校もすぐ辞めて、成功する保証もないし怖かったけど、捨てるものも希望もないから別にいいやって(笑)。

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――ソロになると、自分自身でコントロールしなきゃいけないことも増えてきますよね。表現の仕方や気持ちはどう変化しましたか?

アイドルのときから、誰かに「こうしろ」って言われてしていることって僕は少なくて。だからこそ怒られたこともいっぱいあったんですけど、そういう意味では今もそんなに変わってないかもしれない。でも、頑張って自分の足で立っている感覚はあります。

――過去に「表現をしていないと内にためこんでしまう」って話をされていましたが、やっぱり何かを作って発信していくこと、外に出していくことは大切ですか?

僕にとってはすごく大事なんだなって、アイドルを辞めたあとに気づきました。私生活で誰にも“自己表現”っていうのをしてないから、そうすると自分がどこにいるかわからなくなるときがあって。でもファンの人の前にいると、自由に表現できる感覚になって「僕は僕でいていいんだ」って思える。だからまた歌を歌おうって思えたし、「救われた」とか「笑った」って声が返ってくると、それが次の仕事につながっていくんです。

――自分が人に影響を与えてしまうことの怖さや、意図しない伝わり方をしてしまう難しさを感じることもありますか?

そうですね。やっぱり言葉って屈折して伝わったり、結果的に別の形になったりしてしまうことも多くて。言葉の力はすごく好きだけど、難しくて、だから面白いっていうのもある。でも僕が言葉だけを叫んでも伝わらないから、ライブでは「もういいから見て、聴いて!」って感じになっちゃいます。そうやって音楽とか、映像とか、色んなもので昇華している感じ。

疎外感や孤独感があっても、自分の正解を信じる

疎外感や孤独感があっても、自分の正解を信じる

疎外感や孤独感があっても、自分の正解を信じる

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――活動の幅がどんどん広がっている今も、「社会に馴染めない」という感覚は変わらないですか?

変わらないですね。休みの日に電話1本かけるだけで会話が全然うまくできなくて落ち込んだり、仕事をしていても「僕は周りと違う」と感じる瞬間が多かったり。どうしてもそっち側に行けないんだなって諦めてしまう自分がいるというか。

――そういった漠然とした疎外感を感じている人に、伝えられることはありますか?

僕は関わる人がどんどん増えてくると、周りのことが理解できなかったり、共感できなかったりして「もう関わらなくていいや」ってなっちゃうんです。でもそこに混ざるために、自分的には許せないと思う行動を一回やってみたことがあって。それを今めちゃくちゃ後悔してて、ずっと引きずってて、忘れられなくなってるんですよ。だから疎外感を感じようが、孤独を感じようが、そのとき自分が信じたことは絶対に正解だと思うようになりました。周りに否定されても、失敗したとしても、自分の直感に従うことが正しいから、それを信じてほしい。

――「やりたいことのために、やりたくないことをやらなくちゃいけない」という瞬間もありますよね。そういうときは、どうやって向き合っていますか?

それもめっちゃあります。僕、アイドルのときチェキを撮りたくないときもあって、でもやらなくちゃいけなくて、そんなときはプロデューサーと泣きながら喧嘩してたから(笑)。ただ最近は、やりたいことができる環境を作るためなら、やりたくないこともやってみた方がいいと思うことも増えてきました。

――自分の好きなことや、やりたいことを見つけられずに悩んでいる人がいたら、どんなことを伝えたいですか?

僕もやりたいことが全然なくて、やりたいって気持ちよりも「このままじゃダメだ」とか「変わりたい」っていう危機感から始めました。だから、ちょっとでも興味があるものに触れてみたり、何かに挑戦してみたり、そういうことだけでも今の状況や未来みたいなものが変わるんじゃないかなって。勝手なことは言えないけど、僕はやってよかったなと思ってます。

「表現すること」の大切さを自分の言葉で語ってくれたあのさん。次回は、アーティストとしての自由と不自由、そして「自分らしさ」についてお伺いしていきます。

期間限定配信:2023年2月末頃まで

NO MORE RULES.

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Profile

あの
アーティスト、タレント、俳優、モデル。SNS総フォロワー170万を持ち、若い世代の女性を中心に人気を誇る「あの」。2020年9月1st Digital Single「デリート」のRELEASEを皮切りに、アーティスト名義「ano」にて音楽活動を開始。2022年4月にあの本人が作詞を手がけた、アニメ「TIGER&BUNNY 2」EDテーマソング「AIDA」でトイズファクトリーよりメジャーデビュー。自身を中心に組んだバンド「I’s」も活動中。音楽活動だけに留まらずタレント、女優、モデルとマルチに活動。

Staff

Photo:Yui Fujii
Hair&Make:URI
Stylist:Miri Wada
Text:Mayu Sakazaki
Edit:Junko Inui,Asako Tanaka,Rei Yanase,
Mizuki Katumata,Hiroto Okazaki(Roaster)

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