私は今やりたいことをやる。 #nomorerules. vol.10 #2 女王蜂 アヴちゃん 2021.12.23

私は今やりたいことをやる。 #nomorerules. vol.10 #2 女王蜂 アヴちゃん 2021.12.23

私は今やりたいことをやる。 #nomorerules. vol.10 #2 女王蜂 アヴちゃん 2021.12.23

デビュー10周年を迎えたバンド「女王蜂」を率いる稀代のヴォーカリスト・アヴちゃん。彼女が考える“縛ること、縛られないこと”の本質とは?


01. 自分への責任が、周りへの責任


02. あざとい表現を捨てること


03. “常識”を待ってる暇はない


NO MORE RULES.

NO MORE RULES.

NO MORE RULES.

わくわくする方へ、視点を変えてみて

わくわくする方へ、視点を変えてみて

わくわくする方へ、視点を変えてみて

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──影響力の大きい仕事を選んだことについて、窮屈に感じたり、葛藤したりすることはありますか?

プライベートでお買いものをしてるときに、お店の方がウルウルした目で「女王蜂の『鉄壁』の歌詞が好きなんです」って言ってくれたり、食事に出かけた先で「応援してます」って声をかけてくれたり。私のファンの方ってみんなどこかさりげなくて、でも本当に好きでいてくれてるんだなってわかる言葉を伝えてくれるので、窮屈だと感じることはないですね。もちろん、ずっと追いかけられたり、写真を撮られたりするのは好きじゃないです。けれど、私のことを尊敬して接してくださっている方のほうが多いように感じています。

私は人に影響を与えようが、与えまいが、自分に対する責任があるのは当たり前だって思います。そういう自己責任が、周りへの責任にもつながっていくんじゃないかな。

SCROLL   SCROLL

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──意見が合わない人や、理解しあえない人と出会ったとき、どうやって乗り越えていますか?

たとえば「この人にこの本を読んでほしい」とか「この香りを試してほしい」とか「このYouTube見てほしい」と思ったりすることはありますよ。でも、その人に対して自分色に染めたいとか、こうなってほしいとかはあまり思わない。「何か始まりそう」ってわくわくしたり、「これは暗雲かも」って思ったり、感覚的に物事を察知しようとする癖が子どもの頃からあるんです。だから「この人とは合わないな」と思うよりも、自分の気持ちをどう伝えるかを考えて、楽しくなっちゃったりする方が多いですね。「意見が合わない」ってしんどくなるより、「この人のこういうところを見てみよう」って視点を変える方が好きやなって思います。

ディティールに込めた思いだけが、人に伝わる

ディティールに込めた思いだけが、人に伝わる

ディティールに込めた思いだけが、人に伝わる

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──アヴちゃんは「誰にも似ていない非凡さ」と「共感できる、自分を重ねられるような親しみやすさ」を、両方持っている人のように思うんです。ご自身ではどう感じていますか?

それって、顔とか体型のせいもあるんじゃない? 私、肩幅もないしキッズ服が着れちゃうくらい骨格が小さくて(笑)。たとえば綾波レイって少年にも少女にも見えるじゃないですか。そんな風に、“どちらでもないけど、どちらでもある”っていう存在がちょうどいいのかもしれないですね。

──ヴィジュアルだけじゃなく、曲や歌詞も大きいですよね。

「女王蜂のライブを見てるとき、気づいたら自分自身のことを考えてる」っていうのはよく言われます。そうやって自分を重ねられるようなライブって希少な気がしていて。「自分の代わりに戦ってくれてる」っていう感覚が、親近感や共感につながるのかな。同じヘルツが流れやすいっていうか。

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──「共感してもらいたい」という気持ちはありますか?

まったくないですね。それは、多分こちらが意識したらなくなるものだと思う。意識してやっていることは意外と伝わらなくて、無意識な表現のほうが伝わるんだなって感じることは多いです。たとえば「バズりたいから文章を書く」とか、そういうことが目的になると、どんどんあざとくなってしまうと思うんですよ。私は絵を描くときも「一筆でもあざとい線を引いたら、このキャンバスを捨てる」っていう気持ちで描いてる。衣装を作るときも同じで、そういう細部にしか神も悪魔も宿らないってずっと思っています。人に伝わるのって、やっぱりこだわり抜いたディティールだから。

“縛ってもらえなかった人の孤独”も存在する

“縛ってもらえなかった人の孤独”も存在する

“縛ってもらえなかった人の孤独”も存在する

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──KATEは「no more rules.」をコンセプトに掲げています。アヴちゃんは“縛られたくない”と思うことはありますか?

まず“縛られてる”って思うことがないんです。たとえば予算ひとつにしても、それぞれが自分の情熱を伝えて、最善を尽くして掴みとってきてくれた上でのものじゃないですか。デビューしたばかりの何もない状態から自分たちで整えてきたし、“縛られたくない”とか“囚われたくない”っていうだけだと、無責任ですよね。

私自身、これまで何かに当てはめてもらった経験がなくて、誰も縛ってくれなかったんです。そういう人の孤独っていうのも存在すると思う。「こんなに強くなりたくなかったな」とか「なんであのとき助けてって言えなかったんだろう」とか山のようにありますけど、それは全部、今に活きてるから。「あのときの景色には先があって、私はこれが見たかったんだ」って思います。

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──「自分で自分を縛ってしまう」ということはありますか?

それはあるんじゃないかな。でも、がんじがらめになるっていうよりは「自分で作ったお気に入りの紐で縛ってみてる」って感じなんです。「いいね~アヴちゃん!」って自分を盛り上げながら(笑)。それを見て、周りが「アヴちゃんしんどいでしょ、そろそろ手を緩めて」って声をかけてくれるんです。

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──「縛る」っていう言葉の本質も、人によってまったく違うということですよね。最近は「多様性」という言葉もよく聞くようになりました。

私が常々思っているのは、“多様性より可能性”でしょってことなんです。みんながお互いを認め合うっていうのはすごく大切なことだけれど、もし私たちがデビューした10年前に今みたいな社会だったら、どれだけの人の感性がつぶされずに済んだんだろう、救われていた人間は絶対にもっといたんだよって思うんです。でも、社会の常識やスタンダードになるまでは本当に時間がかかる。それを待っている暇はないから、「自分はこう思ってる」っていう人間が集まって、どんどんやりたいことをやっていくしかないんだと思います。バンドを組んだときから周りにそういう人たちが多かったし、私はそれが心地よくて、快適なので。


次回は、アヴちゃんと「メイク」の関係性を探っていきます。

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NO MORE RULES.

NO MORE RULES.

NO MORE RULES.

Profile

女王蜂 アヴちゃん
2009年に結成し、2011年に『孔雀』でメジャーデビューしたバンド「女王蜂」のヴォーカルであり、作詞作曲も手がけるアーティスト。圧倒的な音域の広さとパフォーマンス、コンセプトや衣装まで作り込まれたステージで多くの人を魅了する。2021年10月に新曲『KING BITCH』をリリース。音楽活動のほか、ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(2019年)や映画『犬王』(2022年公開)への出演など、活躍の幅を広げている。

Staff

Photo:Yui Fujii(Roaster)
Hair&Make:Mika Kimura
Text:Mayu Sakazaki
Edit:Haruyo Sugie,Sara Fujioka,
Ayano Homma(Roaster)

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